(目次) (1章) (2章) (3章) (4章) (5章)


第二章


赤ちゃんの生まれてくるとき(お産のこと)


 イ)お産のはじまり                       

  1.入院のタイミング

      「どのような状態になったら入院するの?」
      病院に連絡をするタイミングは
       ・サラサラとした出血があって、生理の二日目より多い時
       ・陣痛が10〜5分毎に規則的にくるようになった時
       ・破水をしたかもしれない時
      このような時はご連絡ください。状態に応じて助産婦が入院のご案内をいたします。

   
2.おしるし

      お産の前ぶれに、またはお産の際中に、「どろん」としたおりものに混ざった、茶色または
     ピンク色、赤色の出血が、おしるし(産徴)といわれるものです。
      このおしるしがあってからお産になるまでの時間は個人差も大きく、その日のうちに陣痛が
     始まる方もあれば、その出血が一度止まり、7〜10日間でも、あまり変化の無い方もありま
     す。
      おしるしから、日にちが経っても心配はいりません。
     赤ちゃんが生まれてきてくれる日が“もうすぐですよ”という、身体からのお知らせがあった
     と思ってください。
      残り少ない妊婦生活を楽しむつもりで陣痛がやってきてくれるのを待ちましょう。
      おしるしがあっても今までと変わらぬ生活で大丈夫です。
      入浴ももちろんOKです。
      「どろん」とした出血でなく、サラサラと流れるような出血や血の塊が多い時はご連絡くだ
     さい。

  3.陣痛・時間のかかるお産

     ■前駆陣痛について
       妊娠8〜9ヶ月頃になると時々お腹が硬くなるのを感じられるようになります。これは、
      軽い子宮の収縮で、この収縮により子宮の入り口が刺激され、子宮口が開きやすいように軟
      らかくなっていきます。妊娠10ヶ月になると、子宮の収縮はさらに強くなり、回数も頻繁
      になってきます。誕生の日が近づいてくると、夜から明け方にかけて、同じような時間帯に
      お腹が張りやすくなり、そのまま数時間が経った後に遠のいて朝を迎えたというお話を聞く
      ことがあります。
       このような、一度、規則的になったお腹の張りが、時間が経ち遠のいてしまうものを前駆
      陣痛といいます。
       数日間、夜になると前駆陣痛を体験する方も多いようです
       「せっかく陣痛がきたと思ったのに遠のいちゃって・・・私には、ちゃんとした陣痛がく
      るのでしょうか?」と心配された方もいらっしゃいました。
       大丈夫です。陣痛は痛みを伴うお腹の張りで、赤ちゃんが起こしてくれるといわれていま
      す。
       赤ちゃんは自分自身が生まれる準備と、お母さんの体がお産への準備ができると、お母さ
      んの身体へ陣痛を起こすためのサインを送ってくれます。頻繁なお腹の張りは子宮の入り口
      や産道を、青い果物が熟していく様に軟らかく変化させます。赤ちゃんは自分の準備もしつ
      つ、産道が十分軟らかくなるのを待っているのです。

     ■陣痛について
       産道の準備ができると、赤ちゃんが陣痛を起こし、強さや間隔も自分が元気に生まれるた
      めに具合の良いように調節してくれます。
       赤ちゃんは、お母さんに逢うために狭い産道をなんとかしてくぐり抜けてこようとします。
       赤ちゃんのペースを見守りながら、一緒に待ちましょう。
       中にはゆっくり、ゆっくり時間をかけて生まれてくる子もいます。
       陣痛の始まりから次の陣痛の始まりまでの間隔が10〜5分毎になったらご連絡ください。
       一つの目安として、陣痛の間隔が5分以下になってくると生まれるための陣痛です。
       赤ちゃんは陣痛が強すぎて自分がストレスを強く受けてしまいそうであれば陣痛を弱くし
      たり、間隔を広げたりして休憩を取りながら生まれてこようとします。そのような場合は、
      生まれてくるまでに時間はかかるかも知れませんが、その赤ちゃんが元気に生まれてくる為
      に必要なペース配分なのだと思います。
       赤ちゃんは自分の心拍数で私たちに自分の元気度を知らせてくれます。赤ちゃんが自分の
      力でペース配分をし、頑張っている時期は見守らせていただきたいと思います。
       赤ちゃんの中には、途中で「自分の力で頑張っていたけれど、ここまで進んで来たけれど
      ここからはストレスが大きくて難しい」という、サインを出してきてくれる子がいます。
       そのような時には、最善の医療行為を行わせていただきますが、たいていの場合、赤ちゃ
      んが頑張ってくれたおかげで負担の少ない医療行為で済むことが多いものです。

  4.破水

      破水とは、子宮の中で赤ちゃんが包まれている膜が破れ、中の羊水が流れ出ることをいいま
     す。
      “えっ、おもらししちゃったの?”と思う方もいらっしゃるようです。ご自分の意思とは関
     係なく、ぬるいお水が流れ出て、しかも、続くようであれば破水の可能性が高いのでご連絡く
     ださい。一回きりの流出なら尿漏れのことが多いようですが、どちらか分かりづらいことです
     ので、一度診察させていただけると安心です。
      病院での診察で破水であること、赤ちゃんが変わらず元気であることが確認できれば、陣痛
     が規則的になるまで、ご自宅でお過ごしいただきます。
      破水をすると、自然にしかも48時間以内に陣痛がおこってくることがほとんどです。
      “待っていて大丈夫?”と、心配になるかもしれませんが、ほぼ7割の方が48時間以内に
     はお産になっています。
      一般的に破水すると細菌による子宮内感染が問題となりますが、羊水が子宮の中から体の外
     へ向かって流れている間は、その流れに逆らって、菌は子宮へは入っていきにくいものです。
      もし、48時間以内に陣痛が始まらなければ子宮内感染が起きる可能性も出てきますので、
     その際は赤ちゃんが元気であるか、羊水はどのくらいあるのか、感染は大丈夫なのか等を診察
     した上で、必要な処置をいたします。
      水が流れ出る感じがあるので、動き辛いかもしれませんが、あえて安静にする必要はありま
     せん。
      動けるうちはいつも通りに過ごしましょう。
      入浴は控え、シャワーにしておきましょう。
     外来の診察までの間、または陣痛が強まるまでの間に気になることがあればご連絡ください。

   5.剃毛・浣腸

      剃毛は必要がないので行いません。他の施設では会陰切開後の縫合のときに陰毛が邪魔にな
     るため、慣例的に行われることがあるようですが、当院では通常赤ちゃんが元気であれば、会
     陰切開をしないので必要としておりません。
      浣腸も行いません。
      お産が近づくと、普段便秘気味の方でもお通じがスムースになります。
      お産に関わるホルモンの働きで、便が出やすくなり、腸を空にすることで赤ちゃんが下がっ
     てきやすくなるような自然の仕組みが働きます。
      たとえ、お産の途中、赤ちゃんの頭に押されて腸の中に残った便が押し出されたとしても全
     く心配いりません。


 
ロ)お産のときの過ごし方                   

   1.フリースタイル出産

      分娩台に仰向けに寝て産むのは、重力に逆らって赤ちゃんを産み上げることになり、自然の
     摂理に反してしまいます。また、分娩台や分娩監視装置、点滴で身体を束縛されると、医療に
     身を任せてしまい、自分でお産をするという意識が薄れてしまいます。
      フリースタイル出産には肉体的自由のみならず、精神的な自由があり、精神的な自由により
     お産に集中することができ、それは赤ちゃんとの一体感をもたらせてくれます。
      そして、自分の身体の中から新しい命が誕生することの深い喜びを感じることができるとと
     もに生まれることを自らにまかされた赤ちゃんにとっても、優しいお産となります。
      動物である人間には本来お産する力と生まれてくる力が備わっています。自分の身体を信じ、
     自分の精神を信じ、自分の中の自然を信じ、生まれてくる命の力を信じましょう。
      何度も何度も押し寄せるようにやってくる陣痛は、痛くつらいことです。
      早く終わってほしい、早く生まれてほしいと思ってしまう程でしょう。
      そのような陣痛の中でも、お母さんが自由に動くことで、自分にあった過ごしやすい姿勢を
     見つけ出すことができます。
      そして多くの場合、お母さんの楽な姿勢や精神的な安定が、お母さんの血液の循環を良くし、
     それは赤ちゃんにとってもストレスを受けにくい姿勢であるようです。
      赤ちゃんもお母さんの胸に抱きしめてもらおうと、自分の力で生まれてこようとしています。
      この陣痛は赤ちゃんを迎えるための、無くてはならない大きな力なのです。
      お母さんのもとへ宝物がやってきてくれるのです。赤ちゃんと一緒に乗り越えましょう。
      もちろんお母さんのサポートをしてくださる方の立会いは、お母さんが望む方ならどなたで
     もOKです。人数に制限はありませんが、あまり多いとお産に集中しづらくなるかもしれませ
     ん。
      詳しくはスタッフにお尋ねください。

     ■WHO 医学的に正しいお産を保証する59か条
      *明らかに有効で役に立つ、推奨されるべきこと
       ・出産の始めから終わりまで、産婦の姿勢と動きを自由にすること(第4章2)
       ・出産中、仰向け以外の姿勢を勧めること(第5章6)
      *明らかに害があったり効果が無いのでやめるべきこと
       ・出産中、足を台に乗せる乗せないにかかわらず、慣例的に砕石位をとること(第5章6)
         砕石位・・・仰向けになり、両足をやや広げて高く上げる姿勢のこと
       ・出産中、慣例的に静脈点滴を行うこと(第3章3)

   2.お産の姿勢

      陣痛の時も赤ちゃんがいよいよ生まれるときも、特別な場合を除いては、姿勢はまったく自
     由です。お母さんと赤ちゃんにとって、起き上がった姿勢の利点を以下に記します。
      @ 地球の重力を利用できる
      A 子宮の負担を軽くできる
      B 骨盤が広がることで、産道を胎児が下降するのに都合のよい角度が作られる
      C 胎盤の血液循環が良くなり赤ちゃんへ酸素がたくさんいき渡る
         仰向けの姿勢では、大きな子宮で子宮の背中側にある大動脈、大静脈を圧迫します。
         大動脈が圧迫されると、子宮と胎盤周辺の血液の流れが妨げられるため、赤ちゃんに
         送られる酸素の量が少なくなり、赤ちゃんは仮死となりやすくなってしまいます。大
         静脈が圧迫されると、心臓に戻っていく血液の流れがせき止められ、母体の高血圧と
         出血多量の原因をつくることにもつながりやすくなります。
      D 神経の圧迫を防ぎ、陣痛の痛みが和らぐ
         骨盤と子宮をカバーする神経は、脊髄下部を出て仙骨を通り、骨盤に入っていきます。
         仰向けの姿勢をとらなければ、神経が直接圧迫されることもなく、陣痛の痛みは和ら
         ぎます。
      E 胎盤が娩出されやすい
         起き上がった姿勢では胎盤が娩出されやすいので、お産後の炎症や、出血多量の危険
         性を減らすことができます。

   3.お産の時の呼吸

      いろんな呼吸法がありますが、呼吸もお産の姿勢と同じでこちらから特定の呼吸法をお勧め
     めすることはありません。特に必要な場合を除いては、お母さんのリズムで呼吸していただい
     ています。
      できるだけ、陣痛と陣痛の間はゆっくりリラックスして普通の呼吸をすることをお勧めしま
     す。
      陣痛の痛みでお母さんがパニックになった時等はスタッフが呼吸をリードしますのでご安心
     ください。

   4.血液のついていない赤ちゃん(会陰切開について)

      女性の身体は赤ちゃんを産めるようにとても巧みにできています。
      陣痛のたびに、赤ちゃんが産道の中で二歩進んでは一歩戻り、という具合に少しずつ進み会
     陰の筋肉を伸ばし、赤ちゃんの頭が出てくる頃には一枚の布のように薄くなります。
      その薄くなった会陰が切れないようにするためには、赤ちゃんの頭がゆっくり進んでくるこ
     とが必要となってきます。無理に息んでしまうと児頭が急激に進みすぎて会陰が切れてしまい
     ます。
      助産師がお母さんの呼吸のタイミングをみながら、赤ちゃんが生まれる間際にハッハッハと
     息を吐いて息みを逃し、陣痛の力だけで赤ちゃんが出てきてくれるのを待ちます。
      もちろん細心の注意を払っても、多少は会陰が切れることもありますが、薄く伸びて障子紙
     が破れるようにゆっくり切れるので、多くの場合出血は少なくて済みますし、はさみで切るよ
     り小さな傷ですむことがほとんどで痛みも軽くて済みます。
      会陰切開をする理由として、一般的に「放っておいてギザギザに切れてしまうより、事前に
     はさみで切って、縫うほうがきれいだし治りも早い。」「ひどい裂傷になることを予防し、赤
     ちゃんの頭に負担をかけない」等が挙げられてきました。
      もちろんこれは出にくい赤ちゃんを早く誕生させる処置でもあります。
      赤ちゃんの状態が悪くなった場合には、1分でも早く出さなければならないので、効果的な
     処置ではあります。
      会陰切開の問題は、本当に必要なときだけでなく、病院によっては慣例的な処置として、お
     決まりごとのように行われていることです。
      赤ちゃんは自分の起こした陣痛で、切開を入れなくても無事に生まれてくるのです。
      会陰を切れば当然、出血しますから赤ちゃんは血に染まって生まれてくることになります。
      しかし、切開を入れずに自然に生まれた赤ちゃんは、血液が一滴もついてないこともありま
     す。
      その美しさはなんとも言い難いほどです!

      *当院での会陰裂傷・会陰切開率(H15現在)
        当院での会陰切開率は約3%です。
        会陰裂傷は、まったく無しが約55%で、一度裂傷(一針縫合程度)が約25%です。
        その他は二度裂傷(2〜3針縫合程度)で、三度裂傷以上はごくわずかです。


 
ハ)赤ちゃんとの対面                     

   1.赤ちゃんとのご対面

      生まれてきた赤ちゃんを、私たちは直ぐにお母さんの胸へ送り届けます。
     もちろん、へその緒も繋がったまま、まだお母さんと繋がったままです。
      赤ちゃんはお母さんのおなかでは、お母さんからしっかり酸素をもらって生活していました。
     しかし、生まれてきたら、自分で空気中から酸素を取り込む肺呼吸をしなくてはなりません。
      これは、誰が教えるわけでもないのですが、狭い産道を通って、外の空気に触れると、自然
     と息を吸い込み、肺呼吸が始まるのです。
      ところが、すぐに肺呼吸が順調にいくかというと、そうではないので、生まれてからもしば
     らくはお母さんと繋がってへその緒から酸素をもらうことは、とても重要です。
      しばらくへその緒から酸素をもらいながら徐々に肺呼吸が整ってきた後、へその緒からの酸
     素供給、栄養供給もなくなり、いよいよひとり立ちしてゆくのです。
      赤ちゃんは生まれてくるという困難を、巧みな仕組みで乗り越えてきます。
      しかし、そんな激動の時だからこそ、しっかりとお母さんの胸に抱かれ、ぬくもりを感じる
     ことで、何も恐れることなく命を歩み始めることが出来るのではないでしょうか。
      バーストラウマという言葉があります。生まれたときの恐怖体験や辛いことがトラウマとなっ
     て、その後の夜泣きや情緒不安を引き起こすということです。もちろんそれは、親の愛情によっ
     て回復することではあるのですが、無ければ無いに越したことはありません。
      しっかりしっかり抱きしめてあげてください。そして思う存分、見つめ合ってください。思
     う存分、ぬくもりを感じ合ってください。思う存分の愛情を伝え合ってくださいね。
      おなかの中で感じていた、優しいお母さんのぬくもりを、これからは胸の中で感じさせてあ
     げましょう。


   2.赤ちゃんのひとり立ち

      この世に生まれ、なれない呼吸も徐々に上手になってくると、へその緒を通してお母さんか
     らもらう栄養も次第になくなってきます。
      お母さんと赤ちゃんを繋げてくれているへその緒の中は、栄養を送っている時には、血液が
     たくさん通っていて、触ってみると脈打つようにトクトクと動いていますが、そのうち、拍動
     もだんだん弱くなり、いずれは完全に無くなってしまいます。
      そうすると、いよいよ赤ちゃんのひとり立ちの時がやってきます。
      10ヶ月間、栄養を送り続けてくれた命綱であったへその緒とのお別れです。
      その命綱であったへその緒とのお別れは、赤ちゃんにも、お母さんやお父さん、赤ちゃんを
     とり巻く他の人々にとって、大切な瞬間です。これから一人の人間として生き、羽ばたいてい
     く。その大切な瞬間を皆さんで祝福して欲しいと思います。それが“へその緒を切る”時です。


 
ニ)後産(胎盤の役目の終わり)                


      赤ちゃんへ栄養を送り終えると、いよいよ胎盤もお母さんの身体から離れることとなります。
      子宮にくっついていた胎盤が剥がれ、身体の外に出るのがいわゆる“後産”です。
      剥がれる時には、軽い陣痛のような痛みがやってきて、ぬるっと出てきてくれます。
      胎盤が剥がれる時には、子宮と行き来していた血管は断ち切られるので、しばらくは出血が
     あり、それを“悪露”といいます。生理の時のような出血です。だんだん量は少なくなってき
     ますが、お産直後は少し多めです。
      後産が終わると、お産の終わりです。
      胎盤は、後産でただ剥がれ出てくだけではなく、赤ちゃんへの栄養の供給源をおっぱいへと
     交代することにも繋がってきます。実は胎盤から出るホルモンにより、母乳が分泌されること
     を止めているのですが、胎盤が剥がれることによりそのホルモンが出なくなり、おっぱいも急
     速に出始めるようになるのです。


 
ホ)生まれたばかりの赤ちゃんのこと              

   
1.一番目覚めている時間


      赤ちゃんはお母さんのおなかから出てくると、“おぎゃー”と激しく元気に泣き続けること
     をイメージする方が多いようです。しかし、生まれて多少は泣いても、お母さんに優しく抱か
     れていると、そんなに激しく泣くことはありません。赤ちゃんにとって嫌なことが無ければ、
     そうそう泣かないようです。
      赤ちゃんは、生まれて2〜3時間はしっかりと目を覚ましていることが多く、その間は、目
     を開け、抱かれているお母さんや周りの様子をじーっと見ています。お母さんの肌に触れ、心
     地よさそうにしています。
      そして、しばらくすると、お口を開けだし、おっぱいを吸おうとします。
      本能のなせる行為とはいえ、それは、五感を極度に研ぎ澄ませすべてを感じ取りながら、こ
     の世での生命をスタートさせているように思えます。
      2〜3時間の目覚めている時間を満足して過ごし、安心すると、それから8時間くらいは深
     い眠りに就くことが多いようです。お母さんにとっても赤ちゃんにとっても、疲れた身体を癒
     す時間がちゃんと用意されているのです。 この時間はゆっくりと休んで下さい。

   2.赤ちゃんの外での生活

      10ヶ月間、お母さんのお腹の中で快適に過ごした赤ちゃんは、生まれてからも、快適さを
     求めてきます。子宮の中の暖かさ、常に抱っこされているような心地よさ、いつでも飲める羊
     水(子宮の中では母乳の代わり)、排尿しても不快感は無い等、同様の快適さを求めてきます。
      生まれてからの赤ちゃんは、欲求を満たしてもらうために泣いてお母さんに教えようとしま
     す。お腹の中の生活と違うことは、たくさんあり、欲求も増えてきます。
      おむつが汚れ、きれいにしてほしい時、お腹が減っておっぱいが欲しい時、ただ寂しい時、
     暑い時、抱っこしてほしい時、抱っこだけでなく、立っていろんなところに連れて行って欲し
     い時など最初は何で泣いているのかわからず、戸惑ってしまうでしょう。
      しかし、ずっとそばにいれば、だいたいの赤ちゃんのことが解かってきて、泣き声で何を望
     んでいるかが理解できるようにもなるのです。
      赤ちゃんも教え方が上手なわけではありません。だから、お母さんも初めは解らないのが当
     然です。それは、おむつ替えや、抱っこ、授乳も同じことです。赤ちゃんといっしょに少しず
     つ上手になっていけばいいのです。
      「ゆっくり、のんびり、あせらずに、ぼちぼちいきましょう。」
      この言葉は、お母さんだけに向けてのようですが、お父さんや、おじいちゃん・おばあちゃ
     んにも同じです。おじいちゃんやおばあちゃんは、子育てを経験なさっている分、少しもどか
     しさを感じたりすることがあるかもしれませんが、新米赤ちゃんと新米お母さん、新米お父さ
     んの成長振りを、温かく見守ってあげてください。


 
へ)医療行為が必要なとき                   

   
1.陣痛促進剤


      陣痛促進剤が必要なときは、基本的に赤ちゃんの状態が悪くなりかけた時です。
      例えば、前期破水で感染兆候がみられて赤ちゃんが悪くなりかけた時や、微弱陣痛で赤ちゃ
     んが苦しくなってきた時等です。
      また、43週を過ぎても陣痛が起きない場合は、陣痛促進剤で陣痛を起こすこともあります。
      いずれにしても、ケースバイケースですので症例ごとに検討いたします。

   2.吸引分娩

      吸引分娩とは、赤ちゃんの状態が悪くなった時、子宮口が完全に開いていて、赤ちゃんの頭
     がすぐそこまできている時に、吸引カップを赤ちゃんの頭に装着し、赤ちゃんを引っ張って出
     てくるのをお手伝いする方法です。
      *当院での吸引分娩率は約4%程です。

   3.帝王切開

      帝王切開が必要な時は、赤ちゃんの状態が悪くなった時に、子宮口が全開大になっておらず、
     経膣的出産が困難な場合です。
      *帝王切開が必要になりそうな場合や、必要となった場合は、医療センター等に搬送いたし
     ます。

   

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